昔の伊勢参りコースへ




 爽快な目覚めである。昨夜は三重県の地酒「鉾杉」のワンカップ「杉の子」をグイッとやって、その後一度も目覚めることなく朝を迎えた。場所は伊勢道上り多気パーキングである。予想通り車中泊をしている車もほとんどなく、一晩中エンジンをつけっぱなしにしているトラックも皆無であった。だから非常に静かな夜で、熟睡とはまさにこういうことだと思えるほど、爽快な目覚めである。

 GW最終日、事前の予想では各地で渋滞が生じ、こんな日に旅をするのは至難の業だと思われたが、私の勝手な判断では、この日にこの場所が混みあう事などありえないと判断し、この場所を今夜のお宿に決めていたが、それが的中したのである。



 まずはモーニングコーヒーを入れる。パーコレーターを使っておもむろに・・・といきたいところだが、それは省略してスティックのインスタントである。そして昨夜作ってくれた、今が旬の筍御飯の弁当をいただく。う〜ん、美味い。周りは鮮やかな新緑で、こんな時にお外でいただく食事ほどうまいものはない。でもそれにしてもタッパにタップリ詰め込んでくれたものだ。朝食だけでは食べきれないので、3分の1程度を残して、10時のおやつ代わりにまた食べようと思い、蓋をした。そして歯を磨こうと思って席を立って歩き出した直後、コトンと大きな音がした。見るとカラスが弁当箱を狙っているのである。「何すんねん!」と大声で怒鳴ったら飛び去ったが、油断もすきもありゃしない。すんでのところで弁当をかっさらわれるところだった。あ〜危ない危ない。

前夜祭

爽快な朝

筍御飯の弁当とカップそばの朝食

櫛田川の沈下橋



 その後、出発の準備をして、道の駅「飯高駅」に向かう。ここは道の駅としては最大級の規模を持ち、温泉施設もあるらしい。車中泊で縮こまった手足を存分に伸ばすにはうってつけである。温泉は10時からだったので、それまでは清流櫛田川のほとりで、のんびりとしばし佇む。そういえばかなり前に、この川の源流でアマゴを釣ったことがあった。たしか野生のの群れに出会い、少しばかり恐怖を覚えたことがあったのは、おそらくこの源流になるのだろう。そんなことを思い出しながら、ぼ〜っとしたひとときを過ごす。そして10時になるやいなや、温泉に入る。たくさんの種類の湯船があり、おそらくかけ流しと思われる浴槽からは、絶えずさわさわと湯が溢れていた。特産の「でんがら」なるものを買う。「でんがら」って何だんねん?と思ったが、朴葉に包んだ団子餅で、中にはこしあんやつぶあんが入っている。そしてその包が十字に縛られ、田の字に見えることから「でんがら(田の柄)」という説もあるらしい。それとこの日の特売であった、杉本農園のミカンと、尾鷲産のカタクチイワシの干物を買った。この地方では「エタレ」というそうだが、客のあるオッチャンが「お〜、懐かしいエタレや。買うて帰ろ!」と叫んでいた。パレット一杯に70〜80匹並んでいたが、それがなんと700円とは! 2つに小分けしてもらい、2軒分の土産にする。350円でええ土産ができた。


 そして国道368号線を北へ向かうが、途中、「仁柿峠大型車通行困難」といった旨の看板が目についた。まあ地図で想像はしていたが、かなりの難所のようである。だがこの道こそが本来のお伊勢参りのコースに近いそうである。そうこうしているうちに、杉林の中に突入し、対向車が来たら交わせないような道になってしまった。でもしっかりと偉そうに国道と表示してある。今時まだこういった国道も存在するんやね。途中、軽トラックとすれ違ったが、お互い窓を全開にしていたので、すぐ横に顔を近づけることになってしまった。相手は紅葉マークが付いているおじいさんだったが、「道せまいやろ〜」と声をかけてくれた。こっちも「ほんませまいわ〜。大変や。」と答える。お互い車で走行しながら見ず知らずの通りがかりの相手と声を掛け合うなんて、まず都会では考えられない貴重な経験をさせてもらった。

仁柿峠のてっぺん付近にて

ここがもともと伊勢参りの道らしい。

右側が伊勢本街道。往時をしのぶ。

お伊勢参り  伊勢本街道



 峠を越えると美杉町に出て、道の駅美杉でしばし休憩する。腹も減っていたのでなにか食べようと思ったが、こんな山の中なのに何の変哲もない「とんこつラーメン」と書かれたメニューを見て食べる気が失せた。そしてもう少し足を伸ばすと、奈良県に踏み入れてしまった。奈良県御杖村。ここの道の駅は温泉もあり、かなり大掛かりな施設だった。こんな山の奥までよく人が訪れるものだ。結構賑わっていた。そしてここで長芋を具にした、赤い色の巻きずしを購入して食べる。長芋の粘りが妙にすし飯にマッチする。こんなのを食べたのは初めてだったが、かなり美味かった。そして奈良県をかすめたと思った瞬間、また三重県に戻る。この道は三重県がメインだが、ほんの一瞬だけ奈良県に突入するという変わった道である。

今回は茶の名産地が多かった。茶畑と鯉のぼり

長芋の入った巻きずし  御杖村にて



 この後は快適に伊賀上野、そして滋賀県信楽町を通り、京滋バイパスの笠取インターからつい最近開通した京都縦貫道を亀岡まで走り、後は下道で兵庫県の自宅まで戻る。幸い交通渋滞には一切引っかからず、思ったよりも早い帰宅になった。昨日熟睡したせいか、疲れも大して感じなかった。だがGWも終わり、明日からまた仕事である。あ〜、やだな。 

三重県で見つけた変な名前の川  「シャックリ川 !?」


                                                                                 (2013.5.20)

 



戻 る

 

トップに戻る


釣れても
釣れなくても

ツーリングクラブ
【男神】

酒 と 肴

  自転車に乗って

おっちゃんの独り言