天橋立・伊根の舟屋・丹後半島一周の旅




 今年のGWはいろいろと予定が詰まってしまった。自分の仕事のこともあるが、子供たちの行事に振り回されて、なかなか自分の時間が取れなかい。現在我が家には小・中・高と3種類の学校に通う子供がいる。一番上は高校の柔道部に所属しているが、何よりも部活中心の生活をしており、休みごとに合宿や遠征に出かけている。その結果、県大会などでもそこそこの成績を残し、このGW中にも3つの試合に出場する予定である。2番目の娘は中学校のバレーボール部に所属しているが、これまたほとんど部活ばかりの生活である。二人ともそれぞれ3年生で、このシーズンを終えれば引退となる。それゆえ今は集大成の時期ということで、何をさしおいても部活優先・・・ということで、当然家族みんなで旅行へなんていう発想はない。というより物理的にも不可能である。嫁さんはその弁当作りや留守番で、家を空けることはできない。
 ということで、暇そうにしている3番目の小学生と私とで、車中泊のプチ家出の旅へと出発する。目指すは丹後半島一周である。

 私は今まで何度か天橋立には行ったことがある。そして伊根の舟屋にも1度行った。久美浜には何度かカニのフルコースを食べに行ったこともある。まあ近畿地方に半世紀も住んでいたら、この辺りは行きやすい場所であるから、一度や二度は訪れたことがあるのも当然である。ところが考えてみたら、それらをつなぐ「丹後半島一周の旅」ということは、したことがない。バイク乗りにはなぜか変な習性があって、@北を目指す。A先っぽを目指す。Bぐるっと一周巡る・・・というようなことをしたがるのだ。 だから行った道をそのまま戻るという、いわばピストン運動はどうも性に合わない。もっともこれは私個人の勝手な思いであって、「バイク乗りは・・・」というふうに一般化すべきでないとは思うが、どうもそう思えてならない行動が、バイク乗りにはよく見られる。 まあそれはともかく、今回は部分的にはよく知っているところを線で結び、そして車中泊を取り入れる旅とする。



 福知山経由で天橋立に向かう。さすがGW中とあって、車の量が多い。我が愛車エブリィ君は、非常にゴキケンそうだ。3月に雪の中を渓流釣りに行って以来、しばらく乗っていなかったので少々不安だったが、逆に休養十分といった具合に快適に走る。駐車場もほとんどが満車状態だったが、偶然うまく無料駐車場にもぐりこめた。ほんとは無料駐車場かどうかは知らないが、他府県ナンバーの観光客がたくさん止めており、そして管理人もいない。まあ自分の都合のいいように思い込んで、そこで折りたたみ自転車に乗り換える。今でこそ珍しくもなんともない折りたたみ自転車だが、我が愛車は20年近く前のものである。当時はまだ一般的に広まってはおらず、それで観光地をぶらつくと、結構注目されたものだ。今回はそれをエブリィ君に積み込み、そして天橋立を端から端まで走破する予定である。歩くのもいいが、4キロ弱あるので、往復となるとなかなか厳しいものがある。まあ片道を船に乗ればいいのだろうが、船はまた別のところで楽しむ予定である。実際レンタサイクルもたくさんあり、それに乗って橋立制覇をしている人も多くいた。
 
 右も左も海の中で、長く伸びる砂州はほんと自然の不思議を感じさせる。そこには松が生い茂り、自転車で散策するには、ほんと最適な環境である。途中、名水百選にも選ばれている磯清水で喉を潤す。周りが海なのに、そこから湧き出す水が真水だというのは不思議なものだ。一応「生水なので飲用はしないように」という責任逃れの看板はあるが、水汲みを趣味とするポリタン族の私としては、まったく気にしない。そんなに冷たくはないが、美味しい水だった。

磯清水前の 「天橋立神社」

天橋立にて

ビューランドからの 「飛龍観



 天橋立を制覇した後、リフトに乗ってビューランドに行く。私は反対側の成相山には何度か行ったことがあるが、こちら側は初めてだ。小学生を連れていくには、こちらのほうが良さそうだ。そしてビューランドというだけあって、見事な景色が広がった。観覧車やサイクルカーに乗ったりして、しばし絶景を楽しむ。

股のぞきをする息子

リフトより

遊園地にあるスカイヘリコプター



 その後、丹後半島を北上するのではなく、まずは西に横切り、久美浜へ向かう。なぜそんなことをするのかと言えば、目的はただひとつ、久美浜温泉に入るためである。丹後最大の温泉ということで、今回の旅の大きな目的の一つである。大きな露天風呂は若干ぬるめであったが、看板には源泉かけ流しのため、気温により温度は変化するとのことであった。肌はつるつるして、かなり効能がありそうだ。結構長い時間、出たり入ったりしていたが、これで今日はぐっすり眠れそうだ。スーパーで夜食と私のガソリンを買い込み、今晩のお宿道の駅「くみはまSANKAIKAN」へ車を走らせる。 

 7時頃だったが、もうすでに車中泊と思われる先着客が数台止まっている。一番平らで寝心地が良さそうな場所を確保し、寝るためのセッティングをする。我が愛車エブリィ君は、ある時は駐輪場、そしてまたある時は寝室へと早変わりする。だがその前に、まず宴会場にして、風呂上がりの一杯を楽しむ。あ〜、これでこそ今日一日の締めくくりである。飲んで食って、そして息子とトランプをして、やがて眠りにつく・・・・・。


 翌朝、激しい雨と風の音で目覚める。天気予報で覚悟はしていたものの、やはり雨は嫌いだ。外に出て見てみると、30台近くの車が、ここを宿にしていたようであった。2台のバイクはそそくさと後片づけをして、出発していった。どうか気を付けて・・・・。でもバイク連中と違って、こちらは一応、車であって、濡れることはない。息子はまだまだスヤスヤ眠っている。雨音を聞きながら、もう少し朝寝を楽しもう・・・・。

本日のお宿 「くみはまSANKAIKAN」

車内にて

30台近くの仲間たち



 さて、軽く朝飯をすませて、丹後半島を時計回りに巡る。目指すは経が岬である。この区間を私は走ったことがない。朝ほどではないが、しょぼしょぼと雨が降る中、のどかな海沿いの道を走る。「間人(たいざ)」という、普通では絶対に読めない地名の場所に着いたが、ここはカニ好きにとっては聖地である。「間人カニ」というブランドは、最高級のズワイガニを意味する。今度は冬に、これを食べに来よう。
 そしてついに経が岬に着く。まあ岬自体は特別大したこともなく、駐車場の片隅からチラッと灯台が見えるだけで、他には何もない。本当はそこから歩いて灯台まで行けばいいのだろうが、今日は降りしきる雨の中である、またの機会にしておこう。
 だがこの前後は絶壁が連続し、いかにも半島の突端に来たんだなあという実感がする。もしここから海に落ちれば、まず助かることはないだろう。そして途中には野生の親子のサルが出現した。豊かな自然がそのまま残されていた。

 
 そして伊根に到着。私は2度目だが、初めての息子のために、舟屋を満喫させてやる。まずは丘の上から全体を眺める。そして次は舟屋の中を通る狭い道をエブリィで走り、内から見物する。そして最後は遊覧船で、海から眺める。遊覧船にはカモメやウミネコが群がり、エサとして売られているかっぱえびせんを求めてすぐ近くまで寄ってくる。私は手に持って高く差し出したところ、パクッと手から奪い取っていった奴もいた。その際、勢い余って指にかぶりつき、少々痛い思いをしたが、珍しい体験をさせてもらった。

舟屋@

舟屋A


カモメ・ウミネコたち@

カモメ・ウミネコたちA


 そして天橋立にたどり着き、ついに丹後半島一周を成し遂げたのであった。そこからは鬼伝説の残る大江山をとおり、福知山から兵庫県に入り、帰路に着く。

 先日ひょんなことから、百人一首に詠まれている小式部内侍の「大江山いく野の道の遠ければまだふみもみず天橋立」に接する機会があったが、その歌枕を巡る旅を実現したのである。平安時代から変わらぬ美しさに、あらためて心洗われる旅であった。

                                                        (2012.5.6)

 



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