季節限定川ガニ(モクズガニ)と小天橋サイクリング




 秋である。使い古された言葉であるが「文化の秋」「スポーツの秋」「読書の秋」そして「食欲の秋」である。前の3つはさておき、誰もが心から実感するのはやはり「食欲の秋」である。なんせ秋は美味いものが多い。巷には山の幸、海の幸があふれている。今回は、今まで気にはなってはいたが未だに口にしたことがないもの、それを賞味することを密かに計画していた。実はそれは「川蟹」である。季節限定のため、なかなか今まで食べる機会がなかったが、今月の21日に、やっとその計画を実行することが出来た。

 「川蟹」の正式名はモクズガニである。爪に藻の屑のような毛が生えているからモクズガニというらしいが、地方では一般に「毛ガニ」と呼ばれている。だが「毛ガニ」と言えば北海道にいるカニの王様が「毛ガニ」であるからややこしい。もちろんこれは海のカニだが、モクズガニは淡水のカニである。志賀直哉の小説「城の崎にて」にも「大きな川がにが石のようにじっとしているのを・・・」といったくだりがあるように、昔はちまたで普通に見られたようである。だが、私はまだ実際に川でゴソゴソしている姿を見たことはない。そして中華料理の高級食材に「上海蟹」というのがあるが、これも淡水の蟹で、モクズガニとは遠い親戚になるそうである。そして食べ方も同じで、足ではなくミソを味わうカニである。今回はこのカニの釜飯を求めて、但馬まで車を走らせた。

 今回訪れた「ドライブイン山里」は豊岡から少し離れたところにあり、バイパスのトンネルを抜けたところの側道を下ったところにある、なんともわかりにくい店である。この店に行くつもりでなければ、決して通りすがりに立ち寄るなんてことはあり得ない店である。なのに昼時は客がいっぱいに溢れていた。やはり知る人ぞ知る名店のようだ。

 12時に予約していたが、少し早めに着いたので早速店内に入る。ちゃんと予約席には二つの釜飯が用意されており、シューッと心地よさそうに湯気を立てていた。炊きあがるまで少々待って、さあ挑戦! 蓋を取るとそこには美味そうなカニが行儀良くおさまっていた。ズワイガニのメス(セコガニとか親蟹とか呼ばれている)ほどの大きさがあり、ほこほこと美味そうな湯気を立てている。いったんカニを出して炊きあがったばかりのご飯をかき混ぜ、それに甲羅の中に詰まったカニミソを混ぜ込み、そして茶碗によそう。そして一口放り込む・・・。美味い!

美味しそうな 川ガニ釜飯

立派でしょ!



 しっかりとした濃厚な旨みが口いっぱいに広がる。海のカニが華やかな味わいなのに対して、川のカニはどうも素朴で実直な旨みがある。決してスマートではないが、野生のパワーがそのまま凝縮されたような、そんな味が口の中に広がった。息子も美味い美味いを連発している。そして身をしゃぶる。もちろん松葉蟹やタラバ蟹のような豪快な食べ応えはないが、新鮮な蟹なので全く臭みもなく美味かった。淡水のものはどうしても臭みが気になるが、新鮮なものはそういったことは全くない。二人とも、あっという間にすべてをたいらげてしまった。ちなみにこの店は蕎麦も有名らしく、「河南谷蕎麦」というのは知る人ぞ知るうまい蕎麦らしい。次回は蕎麦を目当てに訪れようと思う。

 さて、「食欲の秋」を満喫したからには、腹ごなしに「スポーツの秋」も実践せねばなるまい。今回の我が愛車K−1(エブリィ)はベッドではなく駐輪場である。そりゃ一泊できればそれに越したことはないが、私も息子も多忙で、今回は日帰りしか時間はとれなかった。そこで今回は折りたたみ自転車を積み込み、気持ちのいい場所でサイクリングをする予定である。今回の目的地は京都府北部の久見浜湾にある「小天橋」である。天橋立のような砂州が伸びており、わずかに外海とつながっているその景観は、自然の芸術を思わせる。折しも村おこしのイベント「まるかじりまつり」なるものを催していた。たくさんのフリマが並び、焼きそばやラーメンをはじめ様々な露店が出されていた。その中で黒豆おこわを無料で振る舞っていたので、それをいただいて海辺で食べる。なんとも美味い飯である。もう一つ貰おうかとも思ったが、あんまり腹一杯になったらサイクリングに差し支えるので腹八分目にしておく。

小天橋一周へ  GO!

小天橋大橋より



 小天橋の駐車場に車を止めて、いよいよ一周コースへ挑戦する。海べりの遊歩道を通っていると突如行き止まりになったり、いつの間にやら山道コースに迷い込んだりと、少々苦労はしたが、およそ2時間かけて小天橋一周を果たした。車で走ればたいしたことはないが、小さな折りたたみ自転車で走ると、地球がこんなにも凸凹しているのに改めて驚かされる。別に目的もあるわけではないし、誰かにほめられることもない。でもこんな一見無駄なひとときが、明日への活力になるんよね〜。補給した水分が体の隅々に行き渡る感触だけでも、生を実感する。さて、明日からまた働くか。息子は帰ってから待っている山ほどの宿題を思い出しては、ため息をついていた。

海水浴場にて


                                                                                 (2012.10.23)

 



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