補助輪はずし大作戦!
(娘に特訓する?)


 もうすぐ5歳になる我が家の長女は、現在幼稚園の年中さんである。 まだまだ幼いくせに、口だけは達者で、その上、気が強くて意地悪である。3歳年上の兄のことなんか全く兄とも思っておらず、完全に対等、場合によっては以下に見なしているような節もある。兄貴は兄貴で、「ぼんやりせんと、しっかりせんかい!」と言いたくなるタイプだけに、どっちもどっちなのではあるが・・・。

 その気の強い負けず嫌いの娘が、少々へこんでいるのである。理由を聞いてみたら、近所の友達の多数が自転車の補助輪をはずしているので、補助輪付きの自分は格好が悪いということであった。やっぱりそういうことが気になる年齢になったのかねぇ、と思いながらも、親の方も変に意識してしまうものである。 平均寿命が80歳を越えると言われているこのご時世に、わずか何ヶ月やそこら早かろうが遅かろうが、長い人生においてどれほどの差があるのか? まったく無駄な心配だとは思うのだが、子を持つ親は、程度の差はあれ、よそさんの子供が気になるものである。そういえば長男の検診で体重が一番だったことが、やけに嬉しかったことを記憶している。逆にしゃべるのが遅かったのが気になって気になって・・・。ひょっとして障害があるのではと思ってみたり、いろいろと無駄なしょうもないことを、あれやこれやと悩むものである。あとから振り返ればなんでそんなことを、と思うことばっかりなのにね。

 今回もまたそういうわけで、娘を特訓することにした。ところでどう教えるか? たかが自転車に乗ることぐらい誰にでもできることで、いわば当たり前のことである。誰も思考しながら自転車に乗っているわけではない。つまり当たり前のことをわざわざ教えなくてはならないのである。考えてみればこれが一番難しい。当然のことをまだわけのわからん幼い者に、言葉で伝える。いきなりそこで行き詰まってしまった。そもそも私は理論で相手を説得するなんて大の苦手である。理論より感覚重視である。と言えば格好がいいが、実のところ、論理的思考が苦手なだけである。必死で脳みそをしぼって考えてみた。

 まず大切なことはバランスをとることである。それにはどうすればいいか? これは簡単である。坂道を転がればいいのである。次は? まあそれは坂道くだりをやらせながら考えることにした。近所になだらかな坂があるので、そこを練習場所にする。さて簡単なようだが、これが難しい。肩や肘はガチガチで、ブレーキをかたく握りしめたままである。そして足をちょっと浮かしたら、またすぐにブレーキである。視線は足下を見つめている。 何度かやらせてみたが、うまくいかない。ただこっちの方がどう教えればいいか、何となくわかってきた。自転車に関しては最近ちょっとトレーニング代わりに乗っているだけだが、バイクに関しては私は往年の限定解除ナナハンライダーである。あの「鬼も裸足で逃げ出す」とか「免許界の司法試験」と言われた試験場一発試験に合格しているのである!(ほんのささやかな過去の栄光・・・ただの自己満足)。  同じ2輪なので、ポイントは同じはずである。



@まずは視線。できるだけ遠くを見ること。コーナーなら出口を見る。2輪は見たところへ進むものである。逆にあのガードレールにはぶつかりたくないよぅ・・・、と見てしまったがために、ガードレールに激突したこともある。


A次に2輪はじっとしてたらコケる。当たり前のことだが、だからこそ、その不安定さ・不快適さにバイクの魅力があるのかもしれない。快適だけを求めるのなら、コケる・暑い・寒い・雨に濡れる、なんていう、完全に時代に逆行したシロモノに誰が乗るだろうか?


B体の堅さはあらゆるスポーツにとって、マイナスにはたらく。もちろん鍛えた筋肉の堅さを言っているのではなく、緊張した状態における堅さである。


以上の私の論理的思考による結果(笑)、@より、坂道の下にある壁にを描き、それをにらみつけさせる。Aより、止まったらコケるので、ブレーキ禁止を徹底させる。動いてたらこけないだろうから。実際、2輪の試験の一本橋は速く渡ることは誰でもできるのに、わざわざ何秒もかけさせられたのを覚えている。そのために一度ひっくりかえってしまったこともあった・・・。Bより、「ハンドルウニャウニャ作戦」を命じる。 なんのことはない。押してやるときにわざとハンドルをウニャウニャとさせるのである。これによって力を抜くと同時に、自然とバランスをとることを覚えるに違いない。


補助輪がありし頃

坂道転がり作戦!


 ということで、後ろから押しながら走らせる。「前を見ろ〜!」 「ハンドルウニャウニャ〜!」「ブレーキだめ〜」と、近所中に響くような声で怒鳴りながら、汗だくになって後ろを押していた。そのうち、ふっと手を離すとわずかだがよろよろっとしながらも、数メートル自走するようになった。こうなったらしめたものである。「思いっきりペダル踏め〜!」とスピードを出させていたが、ヨロヨロすると自然にハンドルをウニャウニャさせてバランスをとるようになってきた。めでたしめでたし。もうあとは時間の問題である。



 2日目にはもうバッチリ乗れるようになっていた。私の理論的大作戦はカンペキだったようである。この3つのポイントはツボをおさえた指導方法であった(ホンマカイナ?)!ただツボをおさえすぎていた。私が娘の自転車の後ろを押していたとき、なんともいえない美しい女性が通りがかったのである。私の視線はもちろんその女性に向けられた。するとやはり娘の自転車もその女性の方へ向かっていき、おおかたぶつかるところであった・・・・・。やはり2輪は視線が大切である。

颯爽(?)と乗る我が娘




 


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