果樹園計画


 今年の正月は寒かったがここ数日はポカポカとした陽気で、やはり外へ出たくなってくる。寒かったらどうしても家にこもりがちになるが、太陽を見るとムズムズするのは健康的なのか、それとも逆に、普段がグウタラなのか……。自転車に乗るのも、とんとご無沙汰になってしまった。これでは『お外で遊ぼう!』のタイトルが恥ずかしくなる。せいぜい、『晴れたら遊ぼう!』ぐらいかな? まあ、そういった意味でのポリシーなりプライドなりは、あまり持ち合わせていない人間なので、そんなに気にしてはいないが……。


 まあ話はそれたが、ポカポカとした陽気に誘われて、昨年なんとなく頭に描いていたことを実行することにした。というのは、現在住んでいるところから車で30分ぐらいのところに、あそんでいる土地がある。 かつてはじいちゃんばあちゃんが住んでいたのだが、今は屋敷もなくただの空き地である。住所は一応『神戸市』なのだが、「異人館」「三ノ宮」「メリケン波止場」「六甲アイランド」「ルミナリエ」……などといった神戸をイメージする事物とはおよそ別世界といってよいほど、限りなくかけ離れた場所である。見渡す限り田んぼと山だけで、はじめて訪れた人には、ここが神戸市とは絶対に信じられないところである。 実は、この土地を活用することを思いついたのであった。


 といっても、農業をするほどの知識もなければ根気もない。ログハウスを建てようと思ったこともあるが、その資金なんてあるはずもない。マンションを売り払ってここに家を建てて永住しようと思うほど、まだまだ都市部の楽しさ・利便性も捨てられない。というわけで、ここを果樹園にして、自然の恵みをいただこうと考えた。


 去年の秋に自転車でうろつきまわっていたとき、道ばたでをよく拾った。また、たまたま道ばたで渋柿を売っていたのをみつけ、干し柿にした。実はこれらがそもそものきっかけである。今度はすべてを自家製でまかなってみようというのが、この果樹園計画の発端であった。



 まずは苗木選びである。もちろんうまいものであることが大前提である。基本的に私は昔からの果物が好きである。横文字の名前の果物に、好きなものは少ない。そしてそれ以上に大事なことは、手間がかからないことである。最小限の労力で最大限の収穫を得たいという、ムシのよい考えの持ち主である私にとって、これは何より大事なことである。 というわけで、ある本を参考にしたところ、


@ いちじく
「誰にでもラクラクならせられる。どんな仕立てをしてもどんな剪定をしても、まず心配はない。 病害はあまり心配いらない。」とあった。よっしゃ、まずはこれに決まりである。


A
 
「古くから日本人に親しまれ、東北以南ならどこでもできる。」ふむふむ。これならほったらかしといても、大丈夫だろう。そういえばガキの頃、よく盗んで食ったなあ・・・。


B 「我が国の国土はことごとく栗の適地といってよい。」   去年道ばたで拾った栗を、栗ご飯にした。もちろん拾ったのは野生のものであるが、植えられていたものは、はるかに大きな実であった。思わず盗ろうとしてしまった・・・。

C ブルーベリ
「ほぼ日本中で栽培できる。食べてもおいしい。」 これは息子のリクエストである。息子はブルーベリーのジャムが大好きである。

ということで、これらを植えることに決定した。


           苗木を買い込み、さあ、出発!



 さっそく苗木を買い込み、植え付けた。普段スコップなんて持ったこともない。慣れない手つきでとりあえず穴を掘る。でも掘ってから、ああでもないこうでもないと思案して、何カ所も掘ったり埋めたりしながら、やっとの事で一応それらしく植え付けた。たるんだ筋肉があちこち痛みながらも、やっぱり土からはエネルギーが発しているのか、スッとした気持ちになった。当たり前のことかも知れないが、やはり生き物は、土に根付いて生きるようにできているのかも知れない。


 さて植えてしまえば、収穫が待ち遠しくなる。『桃栗3年柿8年』というからには、実がなるのは遥かに先のことであろう。そう考えると、とてもじれったいものである。 だが何年か前に、たまたまあるところに桜の木を植えたのだが、去年の春にはもう花見ができるぐらいになっていた。 そう考えたら、月日が流れるのは、とても早いものでもある。


 毎朝イチジクを収穫しに通い、秋には甘い柿をいっぱい食べて、そして正月用の干し柿をつくる。そして栗飯やきんとん、カチ栗など、いろいろ楽しんでみよう。そんな日はいったい、いつ頃になるのだろうか・・・・?そして、そのとき私は何をやってるのだろうか? 自分自身の心をタイムカプセルに入れたような気持ちになった。

         さて実がなるのは、いったいいつのことやら……。



 

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