医者通いで…。


 最近、医療機関にかかることが多かった。といってもたいした病気ではなく、歯医者耳鼻科、それに職場での検診を受けたぐらいだが…。  ところでそれらはすべて、待ち時間が非常に長い。その何をするでもない暇な時間に思った、それこそ何の役に立つこともない、たわいもないことを、ここに書きとめてみました。



 まず歯医者でのことだが、ここではなぜか、待たされるのが当たり前である。予約をしてるのは当然だがその予約の時間通りに診察してもらったことは、一度もない。まあその間は、つまらない雑誌でも見て時間を潰しているのだが、その手の雑誌にはグラビア写真が多く掲載されてあり、思わず見入ってしまったときに名前を呼ばれ、他の待合いの人達に名前が知られてしまうのは、どうも気まずいものである。


 そして中に通されるが、中には3つの席がある。といっても歯医者さんは1人しかいない。すわると女の人が前掛けをしてくれるが、すぐには治療は始まらない。ここでもまたしばらく待たされる。こんなことなら待合室でさっきのグラビアをもっとじっくり見たかったのに、と思ってしまう。 そこでは何をするということでもなく、ぼ〜っと窓の外を眺めているが、いつでもどこでも眠られるのが特技の私にとっては、思わずウトウトとしてしまうことになる。知らぬうちに自分の治療がまわってきて、歯医者さんに起こされる気まずさ…。これもあまりいいものではない。



               


 さて治療が始まるが、「今日はこの奥歯を治療しましょう。」ということで、ガリガリギ〜ンキ〜ッと、歯医者独特の、あの何歳になっても好きになれない嫌な音が始まる。こうなってしまえば、もうまな板の上の鯉である。されるがままにしか、こちらにはすべがない。ひたすら痛みに耐え、それを忘れるために別のことを頭に巡らすしか、その時の自分には許されていない。その時思ったことだが、考えてみるとおよそ半年前、あまりの虫歯の痛さに耐えかねて、ここを訪れたのだが、その歯の治療はとっくの昔に終わっている。 それどころか、その後、何本もの歯が削られ、そして詰められ、治療を終えている。なのに「次は前歯の治療をしましょう」とか言われていまだに終わる気配もない。改めて考えてみれば、これは他の日常世界における常識とは、かなりかけ離れているものだということができる。


 例えば車の修理を頼んだとき、『見積もりはいくら』、『行程は何日』を最初に述べない修理屋さんは、まずいない。それを確認してから、自分の財布や日程と相談して、作業に取りかかってもらうのが普通なのに、こと歯医者に関しては、行程を知らされることは全くない。すべては歯医者次第である。最終的には、一体何本の歯を治療されるのか、とんとわからない。今の私の職場は自宅から近いため、その職場にいるうちに完全になおしてしまおうと思っているのだが、そう思ってから、すでに半年が経過した。この分で行けば、はたして自分の予定通りにいくのか非常に不安である。 行程がそんなふうだから、もちろん費用もいくらになるやらわからない。当然、全体の『見積もり』なんて、あるはずもない。それなのに、それが当たり前かのように受け取って、歯医者通いをする。なぜかここだけは、客より商売人の方が主導権を持っているように思われる。やはりこれは、一種の特殊な世界なのかなぁ。


 そんなことを考えているうちに治療も終わり、待合室に戻った。そして受付のカワイイお姉さんに呼ばれ、「次回は○○日の××時になりますが、いかがですか?」と言われ、「はい。それでお願いします。」と予約を取って帰ることになる。もちろん、次はどの歯を治療されるのかも知らずに……。そしてそのお姉さんの「お大事に〜」という溢れんばかりの笑顔に見送られ、次回も通うはめになるのであった・・・。




 次に耳鼻科でのことである。どうも10日ほど前からくしゃみと鼻水が止まらない。熱くても寒くても布団をけっ飛ばす癖のある私は、よく風邪をひく。おそらく今回もそうだろうと思ったが、どうも調子が悪いし、長引いている。鬼ヨメが言うにはどうやら花粉症ではないか、ということである。ちまたでは花粉症に関する報道もおさまり、マスクをしている人も見かけなくなった頃に、何で今頃花粉症なんやと思いつつも、とりあえず時間もあったので耳鼻科に行った。


 考えてみれば耳鼻科に来たのは何十年ぶりのことだろうか? 小学生の頃、プールに入ったあとに中耳炎になって耳鼻科に行ったたことはあるが、鼻のことで医者にかかったことは、どうも記憶にない。だからこの治療はわたしにとっては未知なことばっかりであった。


 まずは鼻の洗浄である。流し台のところに設置してあるホースの先に、小さなピストルのようなものがついている。それを鼻の穴にあてがい、ビュッと洗浄液を吹き出せとのことである。 私にとっては、鼻の穴からは液体は出るものであって、決して入れるものではない。小学生の頃、プールで誤って水を吸い込み、頭の芯までキーンと痛かった事が脳裏をよぎる。だが、どうしてもやれということなので、勇気を絞ってやってみた。ビュッと勢いよく右の穴から飛び込んだ液体は、一瞬の間、どこに行ったのかと不安になったが、次の瞬間、左の穴からドロドロと流れ出してきた。自分の意志に関わりなく鼻の穴から液体が流れ出すのは、ちょっと変な感覚だったが、すぐに慣れた。結構、気持ちのいいものである。右左と交換しながら楽しんでいた。 ただこれは、人前では決して見せたくない姿である。いかにもアホづらしているんだろうなあと自分の顔を想像してみると、情けなくなってしまう。その後、鼻から胃カメラのようなものを通され、喉を調べられた。その状態で返事を求められたので、しゃべってみると、フガフガして、何とも気色悪い。こんなときにしゃべりかけるなよなぁ、先生! 


                             


 その後、愛車CD90で帰ってきてヘルメットを脱いだときである。頭をちょっと傾けた瞬間、鼻の穴からドクドクと水があふれ出したのである。まるでコップの水がこぼれたかのように・・・。びっくりして手で拭いたが、一体どこにたまっていたのであろうか? そして部屋に入って着替えてから、ゴロンと横になった途端、またまたあふれ出したのである。どうやら鼻の奥は、パイプのように喉とつながっているのではなく、そこには壺のようなものがあるに違いない。そしてそこには普段は少量の液体があるのかも知れないが、その容量はかなりあって、姿勢によって、こぼれ出すのではないかと思われた。どうもけったいな感覚である。自分の顔の真ん中に壺がはめこまれていて、その中にはチャポンチャポンと水がゆれており、角度によってはそれがこぼれ出す・・・・。人間って複雑にできているんですなぁ。思わず試しに逆立ちしてみようと思ったのだが、今度は耳からもあふれ出しそうなので、それだけはやめておいた・・・・・。


病院における、たわいもない初体験でした……。
                                                          (2003.5.25)



 


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