20%というのは ?


(扇の山周辺の林道をたずねて)




 残暑はきびしいものの、いつのまにやら秋の気配を感じる今日この頃である。だがやはり地球はリズムを崩しているのか、妙な方向に動く台風がやってきたり、局地的に集中豪雨があって大きな被害をもたらしたり、といった不安定な気候が続いている。そのため今年は、楽しみにしていた四国剣山スーパー林道ツーリングを断念せざるをえなかった。というわけで、それとは比較にならないほどの規模縮小になるのだが、「初秋の扇の山林道一周ツーリング」をすることにした。


 扇の山は氷ノ山の北側に位置する名山である。かつてはそこには未舗装の林道が巡らされていたが、現在ではそのかなりの部分が舗装されているらしい。そこで今回のツーリングは「近場でのんびりと初秋を楽しむ」ことをテーマに取り組むことにした。具体的な目的としては、本格的な食欲の秋を前にして、その予行演習を行うこととする。 つまりなんのことはない、「湯村温泉」にゆったりつかり、但馬ビーフを腹一杯食べる、ただそれだけの動機および目的である。(笑)


 8月22日(日)の朝9時に中国道の滝野社インターでF氏と待ち合わせる。そして国道を北に向かい、9号線に乗ってからはひたすら鳥取方面を目指す。車ではよく通りなれた道ではあるが、家族と車で走って見るのと友人とバイクに乗って見るのとでは、やはり目に映る景色も変わってくる。 そもそもこの道は我がツーリングクラブ男神の前身である友人の寄り集まりでの、最初のツーリングコースである。 20数年前にバイクの中型免許をとりたてのころ、恐いもの知らずで出かけたのがそのツーリングである。季節は3月、4台の250ccバイクで出発したのだが、誰もが免許取り立てで、ちゃんとした装備も持っていない。バイク用のブーツさえ誰も持っていなかった。適当な服装で適当にコースを決めて出かけたのである。ただ山陰方面へ行く、ということが決まっているだけで、宿も決まっていない・・・。かといって野宿用の装備は一切無く、シュラフさえ持っていないといった具合である。おまけにその季節の山陰方面は、ピークは過ぎたとはいえまだまだ寒い日が多く、が降る日もある。実は出発した日、9号線を但馬に入ったとたんに雪が降りだしたのである。あまりの寒さと、路面が滑る恐怖に体はガチガチになりながら、やっとの思いで浜坂のユースホステルにたどりついたのであった。そのときのことが頭に浮かぶ。ちなみにその旅は3泊4日で、出雲や広島の三次方面をまわったのだが、そのほとんどが雨・雪・風のとんでもない天候の連続だった。おまけに中国道では強風のため、危うく転倒しそうになった。もし高速道路でコケていれば、今の私は存在していなかったかもしれない・・・・・。


 そんなことを思い出しながら愛車250TRを快適に走らせていたのだが、ふとお天気のことが気になった。今日の予報は曇りである。降水確率は午前中30%、午後が20%なので、まあ心配する必要はない。いくら雨男の二人連れとはいっても、今回は大丈夫だろう。ただ、大気が不安定なので、所によってはにわか雨や雷雨があるかもしれないというのが、ちょっと気にかかるところではあるが・・・。


 道は年々改善され、かつての渋滞地域や難所などには、ことごとくバイパスができている。だから同じコースをとっても非常に楽である。もちろん雪が降るはずもなく、カッと照りつける日差しもない絶好のツーリング日和である。昔とは比較にならないほどスムーズに湯村温泉に到着する。ここはかつてNHKの夢千代日記の舞台となった所で豪華な温泉が立ち並んでいるが、温泉街の中央には荒湯があり、そこは100℃近い熱湯がこんこんとわき出ている。まずはそこに立ち寄った。前の川には優雅に鯉が泳いでいるし、数え切れないほどのウグイの群が、投げ入れられた餌を追っている。それを見ながら、そこの名物である「温泉玉子」をいただくことにする。3個入り150円の玉子を買って、約12分間温泉に浸ける。そして水で冷やすと、絶妙なゆで具合のゆで卵になる。F氏はコレステロールを気にして1個を躊躇しながら食べていたが、私はペロッと2個をたいらげる。本当はもっと欲しいぐらいだったが、今日は但馬ビーフのステーキが待っている。これぐらいにしといたろ!ところがその12分間を待つ間に、なにやらパラパラと降ってきたのである。それは大好きな(?)雨であった…。

湯村温泉 『荒湯』 98℃の熱湯がわき出る! 12分で出来上がり!


 嫌な予感が頭によぎるが、「ところによるとにわか雨…」ということなので、パラパラと来てすぐ通り過ぎるだろうとあまり深くは考えなかった。そしてそれをきっかけに、すぐ横にある薬師湯につかることにする。 かつてはここが温泉街の中心で、この温泉に来たらこの外湯に入るのが当たり前だったのだろうが、今はもう往年の面影はない。よく言えばひなびた、悪く言えばさびれた雰囲気の施設である。まず入って料金を支払おうとしたのだが、そこのオバチャンはコックリコックリと居眠りをしていた。「すんまへ〜ん。入りたいんやけど。」という言葉に、ビクッと飛び起きて「300円」と答えた。だが石けんとヒゲソリを一緒にもらったところ、寝ぼけていたせいなのか、どうもたしざんができないようである。必要以上に払わされそうだったので、計算してやった。中には先客が一人いて、その人の背中にはぶっそうな絵が描かれてあった・・・・。でもまあ、お湯は良かった。

河原の足湯 左側の建物が 『薬師湯』


 湯からあがって外を見たところ、通り雨はまだ通り過ぎていなかった。そこで今回の最大の目的である、「但馬ビーフのステーキ」を食べに行くことにする。行き先はリフレッシュパークに併設されているレストランである。ところが行ってみてびっくり、行列が出来ているのである。これを待っていたら夜になってしまいそうなので、しかたななく別の食堂に行き、なぜか「ソースカツ丼」を食べる・・・・。 まあ天と地ほどの違いであるが、私たちの行動はこんなものである。(笑)  そして外に出ると、通り雨はやんでいた。ラッキ〜!


 その後9号線をさらに北上し、温泉町の岸田川沿いを山にむかう。目指すは扇の山である。ところがまたまたにわか雨が降ってきた。それもにわか雨どころか、かなり激しく・・・。「ところによっては雷雨・・・」またまた嫌な予感がする。合羽を着込み雨の中を飛び出していく。途中、工事中でどろどろにぬかるんでいたが、さすがTR、苦もなく通過する。後で知ったのだが、工事中で通行止めだったようである。実は通り過ぎてから看板を見て知ったのであった・・・・・。


 しばらく走るとひらけた上山高原にでたので、そこでちょっと休憩する。そして林道をさまようが、雲の中を通り過ぎているので、視界は良くない。というより真っ白だった。海上林道や河合谷林道を落石に注意しながら慎重に走る。すべて舗装はされているが、巨大な落石があちこちにあり、もし真上から落ちてこられたらひとたまりもないだろうなあと、想像力豊かに考える。

あとから気づいた通行止め 上山高原にて 同じく上山高原にて
林道海上線 終点 林道河合谷線 終点 左 国府町   右 河合谷高原


 鳥取県郡家町の国道29号線にたどりついてからは、2車線道路を淡々と走る。ただしの中を・・・。そして戸倉峠を越えて兵庫県に入り、山崎町にたどり着いた頃、道はカラカラに乾いていた。雨が降った形跡など微塵もない。ただそこを走る単車2台は、頭の先から足の先まで合羽の中にまで雨水が入り込み、ぐっしょりと濡れ鼠になっていた・・・・。


 F氏と別れ、家にたどり着いたときの嫁さんの言葉は、「今日はいい天気で良かったね」だった・・・・。その後、ボトボトにぬれたものをすべて脱ぎ去った私の姿を見て、ビックリすると同時に「究極の雨男」とあわれむような、そしてあざけるような目をしたのが、なんともいえない。 

 天気予報がはずれたのか、たまたま「所によって…」という所ばかりを走ったのか・・・・・。日頃の行いの悪さを反省いたします…。
                                                           (2004/8/22)




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