保津峡めぐり

 


          

 


 久々の更新です。「ツーリングクラブ男神」としては2年ぶりか・・・・。その間、釣りの方ではちょくちょく更新していたが、なんとなくバイクのページからは遠ざかっていた。別にたいした理由がある訳でもないし、毎日のようにバイクには乗っている。ただ自分の中では「旅」と呼べるものがなかったので、つい書く気にならなかっただけである。楽しみにされている読者の方々(そんなんあるわけないか・・・笑)、大変申し訳ありませんでした。

 去年の秋、ひょんなことから仕事の関係で、保津峡を訪れることになった。京都の亀岡市から嵐山にかけての桂川の渓谷をそう呼ぶのだが、このあたり一帯は美しい渓谷の様相をなしており、船下りトロッコ列車など、観光の拠点となっている。行った日はあいにくの土砂降りの雨で、そのうえ、その前後は絶好の秋晴れだっただけに、私の日頃の行いの悪さを散々非難されてしまった。その時はトロッコ列車に乗って嵯峨野を散策したものの、実質は降りしきる雨の中での我慢大会みたいになってしまい、せっかく京都まで行ったのに、喫茶店でウダウダと雑談するだけに終わってしまった。

 だが私は決して転んでもタダでは起きない性格である。どしゃ降りの中、トロッコ列車の車窓から、対岸には林道が通っていることを確認しておいたのだ。つまり今度晴れた日には、仕事がらみではなく遊びに来る目的が出来たのである。今回はそれを達成するべく、保津峡に愛車250TRを向かわせた。



 だが不安があった。あらかじめネットの地図で下調べをしたところ、某サイトの地図には細々とした林道が記されてはいるものの、他のサイトの地図には載ってないのである。またあるサイトの地図では、道が途中で消滅してしまっている・・・・。一抹の不安どころか、かなりの不安を抱えながら、亀岡の保津へと向かう。保津川をまたぐ橋の上からは、保津川下りの乗船場がよく見えた。何艘もの舟が客を待っており、側では長い竿を手にした釣り人が、鮎釣りを楽しんでいた。

 これから山入りするので、ガソリンを満タンにするついでに、スタンドのオッチャンに道を確認する。ところがそのオッチャンは地の人ではあるものの、行ったこともないし、全く知らないとのことであった。ネットからダウンロードした地図を見せて、その道の入り口だけを確認する。
 ところがたどりついたその道は、「この先落石により全面通行禁止」と書かれてあった。そりゃないで!せっかくここまで来たのに・・・、と思いつつ、まあ行けるところまで行って、アカンかったら引き返したらええか、と進入することにした。まあお役所も、「一応看板を出して知らせておいたら、あとは勝手にしてくれたらええよ、但し自己責任でね・・・・。」と言ってるように看板からは感じられたので、無理はしない程度に進むことにした。

 向かいにはトロッコ列車の駅が見える。そういえばあの土砂降りの日、あそこから乗ったなあと記憶を新たにする。道は狭く、そして舗装されてもいない。やはり落石の恐れがありそうだ。ただ、真新しいタイヤのあとがくっきり残っているので、きっと私みたいな奴もいるのだろう。もしどうしても通れないようなら、そいつは引き返して来るに違いない。そうなるまで進もうと考え、ゆっくりと景色を楽しむ。あちこちで写真を撮りながら、のんびりと気楽な時間を過ごす。林道から見下ろす川の流れは素晴らしく、ここをさっきの舟は客を乗せて通るんだなあと頭の中でイメージをふくらませる。途中で対岸に山陰線とトロッコ列車が垂直に交わるところに着き、しばらく景色を楽しんだ。その後少し進むとT字路に出くわし、左は水尾、右は保津峡駅と書いてあった。どうやら今までの林道が終わったようである。そしてそこは半分ゲートのようになっており、そこに書いてあったのは、不法投棄が多いから一般車は通行禁止ということであった。な〜んや、本音はそういうことかいな・・・・。

保津川下りの乗船場  鮎釣りをする姿も・・・。 「う〜ん・・・・・」 ここでしばらく思案する



 程なく山陰線の保津峡駅に着く。何台かの車とバイクが停まっていた。ここまで誰と会うこともなく不安を抱えて進入してきた来たが、それらを見てやはりホッとした・・・・。それにしてもこの駅、一日にいったい何人が乗り降りするんだろうね? 切符の自動販売機だけがひっそりと備わっていた。ただ、眼下に見下ろす保津川の流れと目の前に立ちはだかる岩壁は、壮大であった・・・。

 その後、トロッコ保津峡駅を通過し、清滝川との合流地点「落合」に着く。そこには古いトンネルがあり、いかにも「隧道」という言葉がピッタリ来るように思われた。そして赤い落合橋・・・・。
 このあたりは時代劇のロケによく使われるそうである。そういえばこの岩陰から川に飛び込んだなあとか、あの大岩の側でおぼれた女性を助けたシーンがあったなあとか、私にとっては初めて来たところではあるが、何となく見覚えがあるところでもあった。

保津峡・・・・。遠くに見えるのは山陰線

山陰線とトロッコ列車の線路が交差する地点

山陰線の保津峡駅より

落合近辺



 そして峠を越えて下ったところには、鮎の料理を出すいかにも京都らしい茶店風の店が現れ、化野の念仏寺に着いたのだった。そのまま道なりに進むと、あの清滝トンネルに着いてしまった。たのむからおばけさん、昼間やから出んとってね! 
 その後、前を郵便屋さんが走ってたので何気なくついていったのだが、途中、郵便屋さんが消え、どうも雰囲気がおかしい。道はどんどん細くなってゆくし登山客風の人がチラホラいるだけである。なんか変やなあと案内の看板を見ていたところ、ここは愛宕さんへの参道であり、車両は一切禁止とのことだった。その看板を見ていた私の横を、ありありと「あんた非常識ねぇ!」といったまなざしで通り過ぎる中年の女性もいれば、「ここは通ってはいけないのよ」と優しく見守る若くて美しい女性3人組もいた。幾分これは私の気のせいというか、偏見かもしれないが・・・・。

 あわてて引き返し、元来た道を戻って水尾を目指す。先ほど通った落合橋ではもう一度景色を目に焼き付ける。その赤い橋はたしか昭和31年と書いてあった。そしてトロッコ保津峡駅にさしかかったとき、ちょうどその下を舟が下っていた。思わずバイクを停めて、写真を撮る。店の人に聞くと、あと10分ほどでトロッコ列車も通過するそうだから、しばらく休憩させてもらうことにする。その間何艘もの舟が、川を通り過ぎて行った。そのうちトロッコ列車が到着し、しばしの間、駅に泊まっていた。駅には「なまはげ」のようなものに扮した人物が、ホームでパフォーマンスを演じていた。

落合橋

落合橋を渡ってすぐにあるトンネル

トロッコ列車到着!

保津川下り



 トロッコ列車の通過を見届けてから、水尾に向けて出発する。ここは京都の奥座敷で、柚子が特産ということで、ひそかに柚子湯を楽しみに来る人がいるとのことだが、なんのなんの、ものすごい山奥である。道幅も狭く、今回は単車で来ているから特に支障はなかったものの、車では絶対に来たくないと思ってしまった。くねくねとした1車線の道が杉林の中を縫うようにして走り、もし対向車でも来たら大ごとである。事実出会ったのは自転車かバイクだけで、一台の車にも出会わなかった。そして忽然と集落があらわれた。戸数もわずかで、せまっくるしい坂道に面して集まっている。愛宕神社への案内板があったからちょっと強引に坂道に単車を進めたが、神社への登山口があるだけで、とうていこれ以上は進めそうにないのでやめた。かわりに麓の氏神さんか愛宕神社の末になるのか知らないが、たしか四所神社とかいう名前だったと思うが、道ばたの神様に道中の無事をお願いする。

 この水尾という地には、清和天皇の御陵がある。京都市のはずれの山間部には、こういった歴史ある場所が今でもひっそりとあまり変わらない姿で残されている。ゆっくりとした時間が流れているような気になり、旅情を感じますなあ。その後、樒原・越畑を通過し、477号線に合流してやっと自動車に出会ったのであった・・・。

水尾の清和天皇陵入り口にて




 国道9号線に合流し、園部から兵庫県の篠山を抜け、加東市(旧の滝野町)まで快適にとばす。途中、ネズミ取りをやっていたが、幸い反対車線だったので事なきを得た。滝野町についたころ、小腹が空いたのでうどんを食べることにする。店の名は「わけい」。何の意味だかよくわからないが、旨いうどんだった。頼んだのは「ちくたま」のぶっかけうどんの大盛り! 「ちくたま」とは、ちくわと玉子の天麩羅がのせてあるということだ。玉子の天麩羅は半熟でとろりとして旨い。腰のあるうどんを一気にたいらげた。

ぶっかけちくたまうどん



 ということで、今日は久々にどっぷりとツーリング気分にひたった一日であったが、実は今回、ブーツとパンツを新調し、そのチェックも兼ねていた。結果、どちらも快適そのものであった。そして「梅雨があければさらに本格的に旅するぞ!」と決意も新たにしたのであった・・・・・。

                                                     (2008・6・14)
 

 



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