二十世紀梨を求めて

鳥取県日帰りツーリング


 久々に「男神」の更新である。最近車中泊釣りに行く機会が多く、バイクで出かけることが少なくなった。ひとえにこれは、私が単独で出かけるとなると、どうしても子ども達や鬼嫁の白い目の集中非難に耐えなければならないからである。上の二人は受験生だから、やはりオヤジが一人で遊びに明け暮れてたら、文句の一言でも言いたくなるのはわからないでもない。友人や同僚と釣りに行くとなれば、まあこれも付き合いだから・・・といえばなんとか納得してくれる。だがツーリングに関しては、最近F氏が忙しくてあまり付き合ってくれないから、必然的にソロツーリングになる。となれば、一人で遊びに行くことになる私は、集中砲火を浴びることになる・・・・。

 そんなわけで、通勤にはちょくちょくバイクを使ってはいるが、ツーリングはとんとご無沙汰になってしまっていた。そんな矢先、8月31日という世間では夏休み最終日に休みがとれたのである! 子供たちはもちろん夏休みの宿題の最後の追い込みに入っており、さすがにこの日は遊びに行く余裕はない。そして幸いにも、鬼嫁はこの日に仕事が入っていた・・・・。

 まさに神が与えてくれたとはこのことか。この時間を無駄にしたら、まさに神のご意志に逆らうことになる。天気は「晴れときどき曇り、午後は不安定になり、所によっては急な雨に注意」とのことであるが、その時はその時である。いざ、出発!



 最寄りのインターから高速に乗る。限られた時間を目一杯楽しむために、高速道路を有効活用する。ちょうど通勤割引の時間帯だから、料金も半額である。私の250TRは小さいバイクながらも、ETCを装備しているのである。こんな時こそ使わねば! 一気に但馬まで激走する。そして道の駅で一服。お天気もいいし交通量は少ないし、9号線を快適に走る。幾つも峠を越え、見覚えのある景色から忘れかけてた記憶が蘇り、いつの間にやら無意識に鼻歌を歌っていた。この時はなぜか「昴」を口ずさんでいた。なぜ「昴」なのか。まったく根拠はないし、その理由は私自身にもわからない。心の中の何かに触れたのだろう。これが旅情かもね。

 そして鳥取県に入る。今回の目的は、8月29日に初出荷されたばかりの「二十世紀梨」をゲットすることである。今日は31日。関西圏でももう市場に出回っているとは思うが、現地にしかない最上級の梨を求めてわざわざ走ってきたのだ。ということで、まずは鳥取県東部の梨の本場「福部」に立ち寄る。福部は鳥取砂丘のあるところである。県内では中部の東郷周辺に次いで出荷量が多いところだと思う。砂丘道路をのんびり流し、景色のいいところで休憩したりしているうちに、砂丘についた。

砂丘道路にて



 昼前だったので、お腹が空いていた。砂丘リフトの真下にある「鯛喜」という小さな店をふと覗いてみると、空席があったので思わず立ち寄った。ここは以前にも来たことがあるが、小さい見せながら、クチコミでは評判の店である。なんといっても海鮮丼が絶品である。値段もそんなに高くない。早速注文する。ところがそのときふとみかけた看板に「夏休み特別価格」と書いてあり、なんとアワビの刺身が1050円である。それも夏休み限定で今日までである。「こりゃ喰わんわけにはいかんやろ。」ということで、海鮮丼の御飯大盛とアワビの刺身を注文してしまった。他の客たちが「ようやるなあ・・・」というような顔をしていたが、そんなことは気にしない。「ワシがワシの金で食うんや、文句あっか?」と素知らぬ顔をして、出されるのを待つ。
 そして、ジャーン、来ました来ました。なんとも豪快な迫力である。どれもが新鮮そのもので、プリプリ・モチモチ・コリコリ・ジュワ〜・・・・、いろいろなオノマトペを連発したが、口の中で日本海が饗宴を演じている。いやぁ、来てよかった。

これが鯛喜の海鮮丼!

絶品! アワビの刺身


こりゃ食うっきゃない!

梨の選果場



 さて、至福のひとときを過ごしたあとで、東郷へ向かう。ここには最大級の梨の選果場があり、小売もしてくれる。ここで今回の目的に品を手に入れる予定だが、その前にどこか温泉でも入ろうということで、三朝に向かう。日本海に来て本物の魚を食べたのだから、温泉も本物でなければならない。そして今回は身軽な一人である。ということで、嫁さんや娘が一緒なら絶対に行けないところ、三朝の名所、「河原の露天風呂」に入ることにする。河原にあり、昼間なら橋の上から丸見えのところだが、ここは旅先、知っている者は誰もいない。白日の下、スッポンポンで湯に浸かってやろうと意気込んでいた。

 ところがである。いきなりが降りだしたのだ。たしかに今日は「ところにより雨」、との予報だったが、なにもよりによって、ここが「所」によりの「所」にならなくていいのに。ふと頭によぎったのが、先程の海鮮丼とアワビである。これはきっと家に残してきた3人の子どもと鬼嫁の呪いに違いない。「自分ばっかり気楽に遊んで、その上ええもん食いやがって・・・。」と恨めしそうに睨みつける顔が降りしきる雨の中、ヘルメットのシールド越しに浮かんだ。どうも後ろめたい気がしてならないなんて、ワシもちっちゃい人間である。今回は気軽に家を出てきたので、雨具の用意もしていない。濡れるに任せてなんとか東郷の選果場に到着した。

 さすがに鳥取中央の選果場である。多くの人で賑わっていた。思うに最近のここの値段は強気である。毎年通ってはいるが、年々高くなっているような気がする。さてどれにしようかと迷ったが、ここでまた先程の恨めしそうな顔が目の前にちらついた。もうしゃあないな、罪滅ぼしに一番ええのを買って帰るか・・・、ということで10キロ6700円の品を、自分としてはかなり奮発して購入した。大きなビニール袋をもらい、雨に濡れないように厳重に包み込んで家路につく。

 すると不思議な事に、雨がさっと上がった。罪滅ぼしのために家族への梨を買った途端に雨が上がるなんて、あまりにも出来過ぎている。まあこれも神様のお考えなのだろうと鳥取を後にして、兵庫県へ向かう。帰りは国道29号線を南下する。かつてはよく通った道だが、鳥取自動車道が開通したこともあって、非常に閑散とした道になってしまっている。特に峠の前後は、かつてあった店もつぶれ、さびれ果てている。ここには平家の落人伝説が残るところもあるが、ひょっとしたら将来は、国道が開通する以前の姿に戻っていくのかもしれない。

国道29号線  引原ダムにて

買ってきた今が旬の20世紀梨


 そして兵庫県に入り、山崎インターでから中国道に乗り込む。途中でこれまた土砂降りの雨に降られたものの、無事家にたどり着いた。帰ったら早速梨をむいたら、家族がみんな蟻のごとくに群がってパクついていた。「お父さん有難う。とっても美味しい〜!」と感謝された。う〜ん、家族サービスはいいもんだなあと、一人悦に入る。もちろん海鮮丼とアワビの刺身のことは、口が裂けても言えない・・・・(笑)。




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