近所のスタンドにて


 


 いつも行き着けているガソリンスタンドのことである。普段私はエスティマ(といってもNEWじゃないよ。旧型のルシーダです。)に乗っている。ちょっと家族で出かけるとき、少し遠出をすれば必ず子供は寝てしまう。そしたら席を一列取ってしまうので、どうしてもセダンでは狭く、8人乗りのワンボックスが便利である。それに私自身がアウトドアが好きなので、渓流釣りに行けばたくさんの装備が必要だし、車は仮眠場所にもなるので、重宝している。また家族でキャンプするときは、とても威力を発揮する。

 その車でスタンドに行けば、とても威勢のいい声で出迎えてくれるし、サービスもバッチリである。いつだったかのキャンプの帰りにガソリンを入れたとき、『ゴミはありませんか?』と聞くので、無いことは無いんだけど・・・と、あまりにたくさんのゴミを出すのをためらっていたところ、『どうぞどうぞ、結構ですよ。』 と気持ちよく引き取ってくれたのには感謝した。生ゴミもあるし、ビールの空き缶もあるし、悪いなあと思いながらも、お言葉に甘えさせてもらった。



 ところで昨日、もう一台の愛車CD90のガソリンを入れに行った。たまたまそのときはフルフェイスのヘルメットをかぶっていたので、顔が見えなかったらしい。いつものおっちゃんが出てきて、いつもの通り出迎えてくれた。ところが金を払う段になって、財布を見ると細かいものがなく、万札を出して、『すんまへんなあ、細かいのがなくて。』というと、いつもの通り『どうぞどうぞ』とは言わずに、『しゃあないなあ』と言って万札をひったくり、そそくさと釣りを返して、あとは知らん顔をしていた。 いつもなら、どちらに行かれますかと聞いて誘導してくれるのだが、これは一体どういうことなんだろうと首をひねった。

    
 結局、この態度の違いは乗っている車の違いのあらわれであった。確かに万札を出して、わずかに472円を支払われたら邪魔くさいかもしれないけど、CD90でも客だよ、おっちゃん。そっちから俺の顔は見えなくてもこっちからは見えるんだよ。乗ってる車は違っても、乗ってる人間は同じなんだよ。

 といったことを思いながら、自分も同じようなことをしているのかな、とも思う。確かに前を軽自動車がとろとろ走っていると、『オラオラ、邪魔や。どかんかい。』と思ってしまうくせに、ベンツが前をゆったり走っていても(同じスピードでも「とろとろ」と「ゆったり」と感じ方に差がある)、なかなか追い越しにくい。また、普段は見知らぬ人には挨拶もしないくせに、バイク乗りというだけでピースサインを送る(今はもうこれは廃れているのかな)というのも、考えてみればおかしな話だ。


 外観や肩書きで人を判断するのではなく、ほんとに相手の人格を尊重して接するべきだと思う。他山の石とさせてもらいたいものだ。でもこれがなかなか難しい。頭ではわかっているのだが、無意識にそういったものの見方をしてしまう。自らの心に戒めておこうと思った。

     
 ところでひとつ楽しみができた。こんど知り合いのベンツを借りてこのスタンドに来ようと思う。あのおっちゃんは、一体どんな態度で接するだろうか?考えただけでわくわくしてきた。また結果を書かせていただきます。


      【発見】  愛車CD90は、真実の人の姿を見抜く最高の乗り物である。

 



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