果 実 酒




 秋である。田んぼは刈り取られ山は色づいている。昔から『読書の秋』、『スポーツの秋』、『芸術の秋』等、言い古された表現ではあるが、いろいろと実りをもたらす時期になった。
 ところでさて、自分自身に今年のお前の実りは何か? と尋ねてみたら一体何があるのかな・・・・?さっとすぐには答えられないところが悲しいところである。唯一の実りといえば、私の書斎(なんて言うほどたいしたものは与えられていない。ほんとは部屋の片隅。)には数種類の果実酒が並んでいる。それがそろそろ、飲み頃になってきたぐらいである・・・。

 さてその果実酒だが、

@ マタタビ酒
  これは昨年の8月に、福井県の山中に渓流釣りに行った際、ふと何気なく見つけたマタタビを漬けて置いた ものである。マタタビはよく知られているとおり、ネコに与えると性的な陶酔をおこさせる。『ごろにゃあ〜ん』 と、いかにも物欲しそうな声を出し転げ回る。一度試してみたが、びっくりするほど効果てきめんであった。
 さて、これを焼酎に漬けて1年、ちょっと苦み走った青臭さがあるものの、いかにも体には効きそうな味が する。滋養強壮の効果があるらしいが、昔は文字通り、疲れたときにこれを飲用すると、また旅ができるほど 元気になったということで『マタタビ』と呼ばれたそうである。ホンマかウソかは知らないが、飲んだ瞬間から 喉がほてり、体が温かくなってくる。次回のツーリングの前に飲んでみることにしよう。 また旅に出たくなるかな?


A 桃酒
  うちの近所にある果物屋さんなのだが、ちょっと変わっている。主としてわけありの二級品を専門に扱って いる。だからちょっと傷んでいるとか大きさがそろっていないとか、遣い物にするには向かないが、その分、 家で食べる分には何の支障もない。支障もないどころか安くてうまい。そのあたりは目がいいのか本当にうまいものばかりを仕入れている。格好を気にせず実を取る人にはうってつけの店である。
 そこで仕入れてきたこの『桃』。紀州の名産の桃である。ただこれもちょっと熟れすぎかけているかな?小さな傷もある。さっそくこの桃を4個ほうりこみ、ホワイトリカーを流し込む。分量も適当、氷砂糖も入れない。 素材そのものの味を楽しむためである。もうそろそろ飲み頃なのだが・・・・・。


B 栗酒
  私が今住んでいるところの近くに、篠山という小京都がある。かつての篠山藩の城跡や武家屋敷が残っている。ここの名産に猪肉・丹波の黒豆・山芋・丹波栗などがあるが、知り合いからその栗をいただいた。栗ご飯にしたりぜんざいにしたが、大量にもらったため、これを果実酒にしてみたらどんな風になるのかな、と思ったので 試しにやってみた。
  この地には昔から『さる酒』なるものがあって、初めはハブ酒のように猿を漬けてあるのかと思っていたが、実のところは、猿が木の実などを木の洞に蓄えたものが発酵し、それを猿酒と呼ぶそうである。だからここの 名産の栗が酒になったとしても何もおかしいことはない、と勝手に思いこみ、やってみることにした。僕にとっては全く初めての試みである。年末には栗をひきあげて飲んでみようと思う。その際、その栗を砂糖でことこと煮たら、それもさぞうまいのではないか? うまくいけば特製マロングラッセになるかもしれない と密かに楽しみにしている。


C 黒豆酒
  これも栗酒同様、試しにやってみたものである。うまいかどうかはわからない。丹波の特産「黒豆」を漬けてみた。秋には味祭などが行われるが、そこへ来た者は誰もが土産に買って帰る。それほど人気がある。実はこれも知り合いからいただいた。これでビールをたらふく飲んだが、それでもまだ余るほどだったので、栗酒と同様、地元の特産品を焼酎漬けにした。これもどうなるこっちゃら・・・・・。


D ○○酒
  これも近くの特産品である。秋になったらこれの狩りがさかんであるが、一体何房食べれば元が取れるのかちょっとわからない。でも家族連れには人気がある。ところでなぜ名前を隠しているかというと、全く知らなかったのではあるが、穀物類(米や麦)ブドウは果実酒に使うことが法律で禁じられているそうである。かつては梅酒でさえも禁じられていたそうであるが、今はかなり緩和されてはいるが、あいかわらずこれらだけは使ってはならないそうである。使えばいわゆる『密造酒』になるということである。
 ガキの頃から困った性格で、するなと言われたら、したくなる、というのは40になっても変わらないようだ。だからわざわざしてしまった。もちろん自分が飲むだけだから、違法というほどのものではないが、スリルはある。できあがったらこっそり楽しもうと思っている。


E レモン酒
  何の変哲もない、どこにでもあるレモンである。それなら何故使ったのか?答えは単純、少々ホワイトリカーが余ってしまい、どうしようかな、と思ってたところ、冷蔵庫に転がっていた・・・・。ただそれだけのことである。案外これが一番うまくなるのかもしれない・・・・・。



 今、私の部屋の片隅にはこれらの瓶が並んでいる。もう出来上がっているもの、もう少し熟成が必要なもの、、いろいろである。これらをちびちびと飲りながら、秋の夜長を楽しもうと思う。 ただ最近、鬼嫁がひそかに狙っているのが気になるが・・・・・・。

             

       左から  B栗酒  D○○酒  C黒豆酒  Eレモン酒  A桃酒  @マタタビ酒

 



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