清酒 『羅生門』




 芥川龍之介の作品に『羅生門』というのがある。もう何十年も高校の教科書に採用されているらしく、定番中の定番ともいってよい作品である。だから国民のほとんどが16歳の時に、一度は通過する文学作品である。時代が変わっても読み継がれているという意味ではすばらしい作品ではあるが、ただ単にそれを変更するのが邪魔くさいだけなのかも知れない。


 人間生きるためにはどんな悪いことをしても許される、ひいては人間が生きることは悪なのかという、くら〜いテーマに結びつく作品だったかと思うが、あんまり好きにはなれなかったなぁ。さらにはそれをまことしやかに、『極限状態における人間のエゴイズム』なんてふうに説明されたときには、ちょっとひいてしまった。まあ、龍之介さん自体はどう思ってた書いたんだろうね。


 ところで今回、その『羅生門』の名を冠した日本酒をある知人からいただいた。和歌山の地酒とのことである。大吟醸ということであるから、さぞうまいのだろうとは思ったが、ラベルを見る限りではあまり好感を持っていなかった。ローマ字で『RASHOMON』とか『JAPANESE SAKE』とか、はたまた『REAL SAKE』とか、エエ加減にせえよと言いたくなるぐらい、英語かぶれしている。日本酒なら日本酒らしくせえよなあ。教養のない奴ほど横文字にすればかっこいいとか、今はやりの『国際化』を実践していると思ってるバカ丸出しが多い世の中で (我ながら痛烈な表現ですなあ! ガラにもなく現代の日本を憂えています)、日本酒の世界にもそのような流れが押し寄せてきているのかと悲しくなる。


 ところがこれが旨い。芳醇なフルーティーな香りがたまらなく、ぐっと押しの強い味がするにもかかわらず、非常に切れ味が鋭い。後味は非常にすっきりしていて、爽やかでさえある。さすが大吟醸である。ラベルのばたくささは大目に見てあげよう、と思いながら舅さんと一緒におおかた一升をあけてしまった。


            『 RASHOMON 』


 ところがなんと、後で知ったことだがこの酒は、食品会のノーベル賞と言われる『モンドセレクション』で、なんと11年連続で金賞を受賞した幻の酒とのことであった。さすがにこれにはたまげてしまった。そりゃそうである。これは『酒』ではない。『SAKE』である。世界を舞台に活躍する『SAKE』なのである。

 いやぁ〜、国際化だよねー。ワンダフル!! ブラボー!!  RASHOMON BANZAI!!

節操無しの酔っぱらいの自分の姿がそこにあった・・・・・。
                                                          (2002/4/10)

 



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