親子で渓流釣り U




 3月に大学生の長男を初めて渓流釣りに連れて行ったが、それ以来次男もいつか連れて行って欲しいとせがんでいた。まあこいつも中学生だから、もう連れて行ってもそれほど足手まといにはならないだろう。というか体力的にはもうはるかに私をしのいでいる。今後渓流釣りをするかどうかは別として、何事も体験させてやることは大事である。「為すことによって学ぶ」これは何事においても言えることである。折しも先週の九頭竜川遠征時のクマとの遭遇のあと、すぐに熊鈴を購入したが、それを試す機会をうかがっていた。試すと言っても熊鈴によってクマが逃げ去っていくということを試すのではない。熊鈴の音が釣果に影響するかを試したいのである。鈴によってクマが立ち去ってくれるのは大歓迎だが、その音によって魚までもが逃げ去ってしまっては大変である。子守と熊鈴の実験のため、今週も渓流のほとりに立つ・・・・。


 次男は全くの渓流釣り初心者のため、私が解禁当初に訪れる超安全コースへ息子を連れて行く。実は長男も3月にこのコースへ連れて行ったのだが、初心者ながらそこそこの型のアマゴを2本釣っている。その時に購入したウェーダーを次男に履かせて、いざ出漁とする。

 この時期のアマゴは「皐月アマゴは鮎もかなわぬ」というぐらい美味である。だから連れた後の食卓での楽しみも大きい。だがもちろん解禁当初に比べて釣りにくいことも確かである。多くの釣人からのプレッシャーにさらされ、多くが釣り上げられた後の絶対数もかなり減っていると思われる。そんな状況では、1匹でも釣れたら上等である。なんとか息子には1匹釣らせようと、それだけを目的に釣り始める。

 予想通りまったく釣れない。たまに竿を曲げてくれるのはアブラハヤばかりである。クソバエと侮蔑して呼ばれるこの魚は、見るからに下魚という姿をしている。(偏見か?)。そして初心者だから仕方がないが、あちこちで仕掛けを絡ませて、そのたびに私が必死に老眼の目で仕掛け作りをする。そのうち足を滑らせて川に撃沈する。決して息子は楽しくないだろうなあと思いつつも、1匹のアマゴを目指して、次々とポイントを攻略していく。こいつも結構根気のええ奴やなあと、日頃は気づかなかった一面を見た思いである。

新しい武器 「熊鈴」

やったね、第1号!



 そしてついにやって来ました。見るからにアマゴが潜んでいそうなポイントを見つけ、どこをどのように攻略するかをアドバイスしてから仕掛けを投入させる。するとグイッと竿が曲がり、息子はとっさにアワセをくらわせていた。そして抜きあげると20センチそこそこの立派なアマゴであった。

 「きれいやなあ・・・・。」息子から発せられた第一声はこれであった。今までさんざんアブラッパヤを見てきた目には、くっきりとしたパーマークと鮮やかな朱点をまとった魚体は、ほんと渓流の宝石に見えたに違いない。きっとこの第一号は、この子の心のなかの川で泳ぎ続けることだろう。

ピカピカのアマゴちゃん

あのポイントで釣りました。



 それからまたしばらくの間、川は沈黙していた。だが1匹釣った息子は家族の数だけ、つまり4匹釣りたいと言う。そういえば私もアドバイスをするばかりで、まだ1匹も釣っていない。ひょっとしたらこれは熊鈴の悪影響か? まあ家族分とまでは言わなくても、私もせめて1匹釣らないことには、格好がつかないもんね。親父として、そして釣り師としての沽券に関わる大問題である。

 そうこうしているうちに、良いポイントが連続するところに辿り着いた。いい方のポイントを息子に示し、もう一つの方を私が攻める。すると同時にアタリがあって、二人共綺麗なアマゴを釣り上げたのである。文字通り、W ヒットである。非常に痛快な気分だ。

親子で W ヒット!

ピース!



 結局息子は2本、私は4本のアマゴを釣り上げ、本日は納竿とする。思ってたよりも十分な釣果をおさめることが出来たし、熊鈴が悪影響を及ぼさないことも、十分に実証できた。そして何より息子にとっては綺麗な渓流魚が心に焼きついたに違いない。なんせ今まで知っているアマゴは、わたしが釣り上げて持ち帰ったアマゴの死骸ばかりなのだから、生きている時のあのキラキラした姿は、実際に見たものでないと心に焼きつかないだろう。きっと心の肥やしになったにちがいない。
いい釣りができたもんだ。よかった、よかった・・・・・。
                                        (2015.05.24)




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