真夏の夜の夢




 ニュースでは連日猛暑についての報道がなされている。どうやら東京では、猛暑日の連続記録を更新したようである。ということで、日中はもちろん夜も暑く寝苦しい日々が続いている。そんなある日、涼しげな渓流釣りをしている夢を見た。これはあまりの暑さから逃れたいからなのか、それとも仕事を含め毎日の慌ただしい生活からの逃避を切望しているからなのだろうか。ということで、せっかくの夢のお告げなので、その通りに実行することにする。

 前日の夜中に出発して高速道路をとばし、仮眠後、夜明けから午後2時まで渓を釣り登り、そしてそのまま帰宅する。まさに弾丸釣行である。齢五十を越えたオッサン3人が自分の年齢・体力を顧みず、福井県の九頭竜川源流へ遠征する。

前泊風景。  ブルーシート銀マットシュラフ で野宿



 今回は私とS氏、そしてI氏とに分かれて2本の支流を攻めた。2時に待ち合わせをして、それまでは別行動である。早々にS氏がそこそこのサイズのイワナを釣り上げる。さい先のいいスタートである。ところが・・・・。ここから延々と沈黙が続く。

 アタリはもちろん、サッと走る魚影すらないのだ。餌を換え仕掛けを換えしてあれやこれやと試みるが、まったく釣れない。ここにいなけりゃどこにおるんや!と思われるような絶好のポイントほど、虚しく仕掛けが何の反応もなく流れていく。いくつも堰堤を巻き、そしてヤブ漕ぎをし、頑張って釣り上がるが、何の反応もない。いくらビクにイワナがおさまらないといっても、チビイワナが食いついてリリースしたり、アタリはあるが釣り損ねたりといったことがあるものだが、それさえないのだ。そのうち私は転倒するし、S氏は竿が固着するし、だんだんと心が折れかけてきた

堰堤下の絶好のポイントなのだが・・・。

だんだん堰堤が、ただのに見えてくる。



 もう釣りなんてどうでもええわい、とやけバチになりかけた頃、またしても絶好のポイントが現れた。だが今日はこういうポイントこそ何も釣れていない。だがわずかな期待を込めて仕掛けを投入する。案の定、何の反応もない。なんか悔しくなってしまい、今日の俺はこんなポイントでも釣れないほど神様に見放されたんかとふてくされていたときに、ついに来ました、ガガッとくるアタリ! まずは左に逃げようとするがそれを竿で溜めると右へと走り出す。それも竿でいなすと、今度は底へ潜り込もうとする。かなり激しいパワーの持ち主だ。長年渓流釣りをしているが、ここまで抵抗する奴は滅多にいない。やっと寄せてきて抜き上げると27センチのイワナだった。引き具合からすれば、尺物かもしれないと思ったのだが、9寸止まりだった。まあ贅沢は言えない。このアタリを一度でも経験させてもらえたのだから、今回の釣りは十分満足である。

左の大岩の裏から・・・・・・

やっときました、9寸イワナ!



 結果的に私はこの1本だけに終わってしまった。チビイワナが1匹釣れたものの、ビクに収まったのはこの1本だけである。S氏は3本釣った。さて待ち合わせ場所にはI氏がすでに到着していたが、どんな顔をしているだろうか、S氏とあれやこれやと想像を巡らしていた。得意満面なしたり顔か?それとも私たち同様、心が折れた顔か・・・?  まあ何となく渋い表情をしていたので爆釣でないことは見て取れた。

 結果はそれでも5本釣ったらしいが、それよりも堰堤を巻くときに地面を見誤って踏み外し、宙返りをして着地したそうだ。彼はもともと体操部の選手である。こんなふうに書くといかにも格好良く着地を決めたように思えるが、年齢は現役時代の3倍ほどになっているし、体型はもう見る影もない。つまり前のめりにでんぐりかえって、どっすーん背中と尻を強打した様子である。ドロドロで傷だらけになったザックがその様子を物語っていた。ザック内のおにぎりがぺちゃんこになったぐらいで、幸いにしてたいした怪我は無かったようだが、渓流釣りでは一つ間違えば命取りになる。まあ無事で良かった。

 そんなこんなで、全員貧果に終わった。自然相手なのだから、まあこんなこともあるでしょう。今日はイワナの日曜日だったのかも知れない・・・。

皆さん、気をつけて釣りを楽しみましょう。

                                           (2015.8.7)

 



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